車に欠かすことの出来ない部品のラジエーター(英語ではradiator)について説明します。ラジエーターとは何か?寿命や故障原因や交換費用について述べていきます。
車のメーター部分には水温計がついており、水温計をみるとエンジンがかかってからしばらく経つとエンジンの温度が上昇していることが分かります。
走行し終えたあとに車のエンジンルームを開けると、高温の熱を感じるほどエンジンが暖まっていることが実感できますが、エンジンルームの熱を下げる役割を果たしているのが冷却水です。
ただこの冷却水も冷やされていなければなりませんが、冷却水を冷やす役割をしているのがラジエーターなのです。
ラジエーターは基本的に車の前方に設置されており、走行中にフロントから取り入れられた風を利用して冷却水を冷やします。
冷却水はエンジンを冷やしたことで暖められてしまいますが、その冷却水はラジエーターに戻ることで再び冷やされて、またエンジンを冷ましにいくという循環をくり返すのです。
つまりラジエーターはエンジンを冷やすという重要な役割を果たしており、車に欠かせない部品であることが分かります。
ラジエーターの一般的な寿命は軽自動車で10年程度、普通車で12年程度といわれています。
これらの寿命までラジエーターをもたせるためには、冷却水を2年1回、定期的に交換する必要があるのです。
ラジエーターそのもののメンテナンスをする必要はありませんが、ラジエーターを流れる冷却水をきちんと交換することで、ラジエーターの寿命を維持することができます。
ラジエーターの寿命が縮んだり、ラジエーターが故障する原因については後述していますので、そちらをご覧ください。
ラジエーターはエンジンを冷却するための冷却水を冷やす役割をしていますので、もし冷却水の冷却が行なわれなくなるとエンジンが冷やされず、そのままエンジン温度がグングン上がっていきます。
エンジン温度が上昇すると、最終的にはエンジンがオーバーヒートを起こしてしまい、最悪の場合はエンジン不能となりますので、廃車せざるを得なくなるのです。
ラジエーターが故障することでエンジンが不能になることを考えると、定期的に冷却水の点検をすることがいかに大切かがお分かりいただけるでしょう。
ラジエーターに流れ込む冷却水は、定期的に交換しなければ内部の樹脂が腐食してしまい、ラジエーターが故障してしまう原因になります。
冷却水の交換だけで安心するのではなく、冷却水が何らかの原因で減少してもリザーバータンクから冷却水が供給されることでオーバーヒートを防ぐしくみになっていますので、リザーバータンクの冷却水も合わせて確認しておかなければ重大な故障につながりかねません。
また冷却水が通るホースはゴムでできているため、経年劣化が進むとホースがひび割れや腐食を起こし、そこから冷却水が漏れたり、目詰まりを起こすことでラジエーターが故障することもあるので十分に注意してください。
ラジエーター関連の部品で最も劣化しやすいのがラジエーターキャップです。
ラジエーターキャップは冷却水の通り道に圧力をかけて、冷却水の温度が100℃を超えても沸騰しないようにする重要な部品です。
ラジエーターキャップが劣化すると圧力が落ちてしまい、冷却水が沸騰してラジエーターやホースを破損させてしまいます。
ラジエーターキャップは基本的に5年に1度交換することがすすめられており、その期限を過ぎると故障につながりますので、定期的な交換を行なってください。
ラジエーターの故障はエンジンの不調に直結していますので、エンジンルームが異常に高温になっていないか、冷却水が漏れていないかを普段から確認しておく必要があるでしょう。
ラジエーターの修理費用は、一般には20,000円程度と言われています。
ただラジエーターの修理費用については、純正部品・社外部品のどちらを選ぶかによって大きく異なりますし、車種によっては部品代だけで高額になります。
また修理してもらう場所がディーラー・一般の整備工場に依頼するかで金額が異なるのです。
高級車で純正部品を使用し、ディーラーで修理した場合は修理費用が100,000円近くまでかかるのもめずらしくありません。
ただラジエーター本体を修理する必要はなく、冷却水を貯水しているタンクのみの交換だと15,000円程度で済む場合もあります。
ラジエーター本体の修理にしても、タンクのみの修理にしても、合わせて冷却水の入れ替えは必要になりますので、冷却水代として5,000円程度を見積もっておく必要があるでしょう。
このようにラジエーターが故障すると高額な修理費用になる場合がありますので、普段から冷却水やラジエーターキャップの交換をすることは言うまでもありません。
またラジエーターを交換してもラジエータータンク内に空気が残っていると冷却水の温度が高くなる可能性が高まりますので、エア抜きを行なってもらうなど、ラジエーターの寿命を延ばす努力が必要です。
高年式の車ほどラジエターが故障することはありませんので、今回の記事を参考に、ラジエターに配慮しながら車を維持されてみてはいかがでしょうか。